1.在宅介護終了後の家族介護者の達成感・満足感および空虚感と死別前要因との関連
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概要
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本研究は、在宅要介護高齢者と死別した介護者の、介護と死の看取りに対する達成感・満足感および介護役割喪失に伴う空虚感と死別前要因との関連を明らかにすること、また、死別後の生活適応を視野に入れた死別前からの介護者支援について検討することを目的とした。過去1年半から2ヶ月前の間に在宅要介護高齢者と死別した介護者を対象に質問紙調査を実施し、有効回答者86人を分析対象とした。結果は以下の通りであった。1.要介護以降の被介護者との関係性と達成感・満足感との間に有意な正の相関が認め られた(r=0.31,p<0.05)。2.介護対処方略の下位次元の一つである「介護におけるペース配分」と達成感・満足感との間に有意な正の相関が認められた(r=0.45,p<0.01)。3.介護中に生きがいを持っていた介護者は持たなかった者より空虚感が低かった(p<0.05)。以上より、介護と死の看取りに対する達成感・満足感を高め、空虚感を軽減するための死別前における支援として、介護者と被介護者との関係性を良好に保つよう関係調整を図ること、介護者が健康を維持しながら介護できるよう健康管理を支援すること、介護者の生きがいを尊重することが重要であると示唆された。
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