非行性の認定(VIII)補遺 その1 心理検査による非行性のアセスメント(2) : ロールシャッハ・テストおよびTAT
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概要
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この研究は、ロールシャッハ・テストおよびTATによる非行性のアセスメントに関する方法論上の妥当かつ効果的な情報を入手することを目的としたものである。集められた63編のロールシャッハ・テストおよび28編のTATの文献の中から、この研究の目的に沿って、それぞれ16編、6編の文献が、選定され、主として(1) 非行性のアセスメントへの寄与、(2) 方法論上の利点、について分析された。 その結果、ロールシャッハ・テストでは、(1) 1980年代まで、非行の発現になんらかの影響を及ぼすと思われる衝動性に目を向けた研究ならびに非行性の深度と密接なかかわりをもつ精神病質および/または行為障害を一般群ないし軽度の障害群から識別する研究が、多く実施されてき、また、(2) 1990年代以降、精神病質および/または攻撃性についての研究が、増加してきている、ことが見いだされた。 これらの所見は、わが国では、今後、ロールシャッハ・テストによって、行為障害の非行少年における非行発生のメカニズムを、特に衝動性および/または攻撃性に焦点を当てて分析することが、より実際的であることを示唆する。
- 2006-12-20
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