未破裂小脳動脈瘤の診断におけるthree-dimensional MR angiographyの有用性

概要

論文の詳細を見る
【目的】未破裂小脳動脈瘤(SUCA)の診断におけるthree-dimensional (3-D)MRAの有用性について報告する.【対象および方法】MRA MIPにて10mm以下のSUCAと診断,あるいは疑われた76例(女性54例,男性22例,42-85歳)を対象とした.MRIはSigna Infinity Excite 1.5 Tを用いた.約10分間で3-D time-of-flight MRAの元画像から3-D MRAを作成し,MIPと比較検討した.【結果】1)76例中3D-MRAにて88個のSUCAが認められ,その形状は全例saccular typeであった.2)部位はMCA 31, ICA 30, AcomA 15, ACA 4, BA tip 3, VA 3, SCA 2個で,その最大径は1.7-9.8mmで平均4.0mmであった.3-D MRAではSUCAの形状,大きさ,親動脈や娘動脈との位置関係などがよく把握でき,有用であった.3)MIPでは44個(50%)のSUCAについて診断できたが,SUCAのサイズ別の診断率は1.7-2.9mm:12%,3.0-4.9mm:69%,5.0-9.8mm:90%であった.MIPではSUCAの存在を診断できてもその形状,親動脈や娘動脈との位置関係などの把握は困難な場合が多かった.【結論】3-D MRAはMIPに比べ,SUCAの診断に有用である.3-D MRAはSUCAの診断率の向上に寄与するものと考えられた.
日本脳卒中の外科学会の論文
2007-01-31