農村部における中高年女性の不定愁訴と自己効力感
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,農村部における中高年女性の保健教育の資料とするために,不定愁訴の実態と自己効力感を明らかにすることである。対象はF県内3ヵ村に在住し,36歳以上の計255名である。無記名自記式質問紙を用い,Kupperman更年期指数変法(K指数変法),一般的自己効力感尺度(GSES),更年期に関するイメージ・知識,不定愁訴への対処行動を調査した。K指数変法の平均得点は10.3(SD=8.2)であり,全体的に低くなっていた。属性別では,職業において差がみられ,農業従事者が最も低く(7.8±7.0),教員・公務員(14.0±5.8),自営業(12.9±9.9)で高くなっていた。GSES得点の全体平均は7.7(SD=3.3)であり,普通傾向にあった。生きがいが「ある」群のほうが「ない」群に比べてGSESが有意に高くなっていた。また,K指数変法とGSESの相関係数はr=-0.26で,弱いながら有意な負の相関があり(n=255,t=4,197,p<0.00004),不定愁訴があっても治療を受けていない人のGSESは低い傾向がみられた。以上の結果から今後の保健教育の方向性が示唆された。
- 日本母性衛生学会の論文
著者
関連論文
- P-084 次世代育成支援策についての夫婦の認知と利用状況(Group54 母子保健・保健指導,ポスターセッション,第50回日本母性衛生学会総会)
- 099 NICU退院児をもつ母親の母子保健サービスについての認知状況(Group16 母子保健・訪問指導2,一般演題ポスター,第48回日本母性衛生学会総会)
- 182 妊娠中の母乳育児に関する集団指導の有無による産褥早期の母乳育児の実態(乳房管理、母乳3, 第46回 日本母性衛生学会総会 学術集会抄録集)
- 市町村の母子保健事業における助産師活用の実態 : 地域の異なる2県の比較からみた特徴
- O-059 地域母子保健事業に従事している助産師の実態 : その1・F県の場合(Group11 母子保健,一般口演)
- 夫婦の持つ子ども数に関連する要因の検討
- 303 産後1ヵ月時の母親の母子保健サービスの認知および利用状況(Group50 母子保健・訪問指導3,一般演題ポスター,第48回日本母性衛生学会総会)
- 農村部における中高年女性の不定愁訴と自己効力感
- O-060 地域母子保健事業に従事している助産師の実態 : その2・M県の場合(Group11 母子保健,一般口演)
- 244 小・中学生の妊産褥婦・新生児との触れ合い体験からの学び(性教育2)(第45回日本母性衛生学会総会学術集会)
- NICUに入院した児を持つ母親と健常児を持つ母親の母子保健サービスについての認知・利用状況と希望するサービスの比較