Makrokylindrus (Makrokylindrus) hystrix sp. nov. and Leptostylis quadridentata sp. nov., Two New Abyssal Cumaceans from the Japan Trench (Crustacea)
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概要
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1981年6月6日より8月4日まで,東京大学海洋研究所の白鳳丸によって,東北沖の日本海溝付近海域の海産生物を中心にした研究航海(KH-81-4)が行なわれた。この航海でビーム・トロールによって採集された次に示すクマ類2種(Diastylidae)は研究の結果,何れも新種として記載さるべきものであった。Makrokylidrus (Makrokylindrus) hystrix sp. nov.は,金華山の遙か沖のSt. 12-Bt (KH-81-4),水深6380-6450mより得られ,体長約17.3mmを有する雌であった。Makrokylin-drus属はBacescu (1962)によって,全自由胸節が自由関節しているMakrokylindrus亜属と,第3と第4自由胸節が互いに融合しているCoalescuma亜属とに分けられている。本新種はこのうちの前者に属する。本種に近似のものに,北大西洋の700-1100m深より知られているM. (M.) tubulicauda (Calman, 1905)と,ジャワ海溝の7160m深より記載されたM. (M.) hadalis Jones, 1969があるが,本新種の体表に生じている棘が,背甲前方,特に前側縁付近で長くなっていないこと,第3顎脚と第1歩脚の基節の形態などに相違がみられることなどによって,前述の2既知種から明らかに区別される。Leptostylis quadridentata sp. nov.は,金華山の遙か沖のSt. 11-Bt (KH-81-4),水深5350-5370mから採集された。体長約12.3mmの幼雌の標本はクマ類中では可成り大きい方であるが,第5歩脚が全く現われておらず,未だmanca幼生期にあるものと思われる。Leptostylis属の既知の種には,第5腹節背面に4歯をもったものは知られていない。ケルマデック海溝の4410と4450m深産のLeptostyloides calcar Jones, 1969には,第5腹節背面に奇異な突起物をもつが,背甲とこの奇異な突起物との形態は,全く本新種と異なっている。
- 横浜国立大学の論文
- 1985-10-30
著者
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