酵素阻害定数算出のための新しい作図法
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概要
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本論文の目的は50%阻害を示すインヒビター濃度I_<50>と基質濃度[S]との間に導かれる関係式から酵素阻害定数K_iを求める新しい作図法を紹介することにある。まず、競合的阻害の場合I_<50>は[numerical formula]とあらわされる。ここでK_mはMichaelis定数を表す。一方、非競合的阻害の場合はI_<50>=K_iとなる。したがって、縦軸にI_<50>、横軸に[S]をとると、競合的阻害の場合は傾きK_i/K_mの直線となり、非競合的阻害の場合はx軸に平行な直線となる。いずれの阻害様式の場合もy切片がK_iを示し、一目で値が読み取れるのが本法の特徴である。合成インヒビターMNAPPA((2R,4R)-4-phenyl-1-[Nα-7-methoxy-2-naphthalenesulfonyl]-L-arginy1)-2-piperidinecarboxylic acid)によるトリプシン阻害の実験結果を、この新しい方法と従来用いられているDixon法で処理してK_iを求め比較したところ、よい一致が得られ、K_iを求める作図法として本方法は有用な方法であると考えられた。
- 神戸大学の論文
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