寒冷下における血小板凝集能に対するヘパリンおよびアルガトロバンの影響
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概要
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合成抗トロンビン剤アルガトロバンの血小板に対する刺激作用を明らかにすることを目的として、血小板数の測定、レーザー散乱粒子計測型血小板凝集能測定装置(PA-200)を用いた血小板凝集能測定、および微小循環モデル測定装置(MC-FAN)を用いた血液流動性測定により、ヘパリンとアルガトロバンの作用を比較検討した。正常ヒト血液を4℃に静置したとき、ヘパリン血では血小板数が経時的に減少し、血小板の小凝集塊(S塊)の形成はヘパリン加PRPで強く促進された。また、全血を用いたMC-FANによる血液流動性の測定では、血流速度はヘパリン血で経時的に減少した。一方、アルガトロバンはいずれの方法においても時間経過による顕著な変化を示さなかった。以上の結果は、これらの方法が寒冷下におけるヘパリンの血小板凝集作用を感度よく測定する方法であることを示すとともに、アルガトロバンの血小板に対する刺激作用がヘパリンに比べてきわめて弱いことを示している。
- 神戸大学の論文
著者
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浅田 玲子
兵庫県立成人病センター
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宮下 寛子
神戸大学医学部保健学科
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浅田 玲子
神戸大学医学部保健学科
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和中 敬子
血栓止血研究神戸プロジェクト
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奥宮 明子
神戸大学医学部保健学科
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奥宮 明子
神戸大学医療技術短期大学部
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