高校男子サッカー選手のシンスプリントに関わる下腿・足部の発生因子

概要

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本研究の目的は、下肢の代表的なスポーツ障害であるシンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)の発症にかかわる身体的要因を分析し、その特徴を明らかにすることである。高校男子サッカー部員85名を対象に発症に関わる下腿・足部について、学年始めに過去のスポーツ外傷歴の聴取を含めたフィジカルチェックを行い、以降9ヶ月間、週2回の頻度で発症状況を調べた。調査前のシンスプリント既往者を除く74名がデータ分析に使用され、そのうちシンスプリントを発症した疼痛群(16名・23肢)と無症状の対象群(58名・125肢)の間でのフィジカルチェックにおける身体的特徴を比較検討した。その結果、疼痛群では足関節の背屈角度が有意に小さく(p=0.0073)、ジャンプ負荷後の排腹筋筋硬度も有意に高く(p=0.0099)、特に内側頭において有意に高かった(p=0.0050)。また、疼痛群において足趾の第2趾が第1趾より有意に長かった(p=0.0023)。一方、下肢アライメントや足部アーチ高率に有意な関連性は認められなかった。これらのことからヒラメ筋・長母趾屈筋・長趾屈筋・後脛骨筋の運動時に筋硬度が上昇する影響と足部などの解剖学的構造要因が複合的に関連して発症部位に過度のストレスを与えることが発症につながっているのではないかと考えられた。

高校男子サッカー選手のシンスプリントに関わる下腿・足部の発生因子

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