大気環境中のベンゼン濃度の推定の試み
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概要
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車両から排出される大気中のベンゼンを例として、東大阪大学周辺の大気環境濃度を調べた。一つは、環境へ排出される化学物質の届出公表制度に基づき、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)から公表された大気環境濃度地図を入手し検討した。さらに、別途、ベンゼン発生源としての車両の影響分を算出した。この目的のため、平成11年に実施された道路別の通行車両のセンサスと車両が排出するベンゼン量を入手し、仮定をおいて単純化し、モデル的に気象条件をいれて、経済産業省で開発された大気拡散ソフトMETI-LISを利用して、ベンゼンの大気環境濃度計算をした。その結果、ベンゼン濃度は、都会を走る車両の影響がある程度表れていることが推定された。くるまを使う生活スタイルそのものが環境汚染を引き起こしており、環境倫理が求められるゆえんである。なお、環境中のベンゼン濃度は、さいわい環境基準値よりかなり小さい値であった。本計算は、公表資料を用いて、こんな計算ができるという試みをおこなったもので、厳密な環境濃度を算出したものではないことをお断りする。今後、さらに精度をあげて検討したい。
- 東大阪大学の論文
- 2006-03-15