金属切削における不安定現象について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Kobayashi-Thomsenは逃げ面摩耗帯の長さを種々に変えて快削鋼を切削した結果,その長さが一定値以上の工具では切削中に切くず厚さを大きく変化させるほどの摩擦機構の変動が逃げ面において起ることを報告している。 筆者は,刃先近傍での工具と切くずや仕上面との接触過程において接触部形成材質の交換が絶えず起っていることを考慮するとき,通常の工具で切削する場合にも切削条件や被削材いかんによっては,上述のごとき変動の起り得る可能性があると考え,工具面への凝着を起し易い工業用鈍鉄を旋削してみた。その結果,連続した切削中に,ある一つの流れ形切削状態からそれと別の切削状態に一瞬間陥ること,さらにそのような不安定現象の起る切削条件や切くずの変動状況などが明らかになった。またその場合,すくい面上での摩擦係数も2つの値間で変動することが判った。
- 山形大学の論文
- 1969-03-20