振替価格の設定と経営目標
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概要
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振替価格とは、企業内の部門間、事業間、あるいは親子会社相互間において原材料、部品、半製品、製品等が移転される場合、この移転取引において付される価格である。この振替価格は、各事業部が利益中心点として運営されている場合に業績評価機能と意思決定機能という二つの重要な機能を担うことになる。すなわち振替価格は、供給部門にとっては収益であり、他方、受入事業部にとっては費用になるため、利益責任を有する各事業部の経営活動によって企業利益の最大化を図ろうとする事業部制においては、各事業部の利益測定や業績評価、意思決定に影響を及ぼすことになる。また、振替価格は企業全体の利益を各事業部に配分する働きを持つため、計画的に事業部を統制する手段としても利用される。この振替価格は、企業目的を反映すべきものであり、企業目的を達成するために設定される一つの手段であると想定されてきた。しかし、企業目的が時代の変遷にともなって過去のものとは大きく異なってきているため、企業はその内容を企業内外の状況変化に適応できるように変更しなければならなくなっている。そして、企業目的の変化は振替価格の設定に大きな影響を与えることにもなる。本論文では振替価格の設定基準がどのようなものであるかを伝統的な議論をもとに検討するとともに、現代における企業目的がどのように変遷してきたのかについて明らかにしている。また、今日の企業目的を達成するために振替価格はどのように設定されるべきであるかについて検討を試みるとともに、今後進めていくべき研究の方向性を探っている。
- 2006-02-28
著者
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