実習前後の看護学生の不安の変化について : STAIXを用いての分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
臨地実習は,看護学生が学内で学習した知識・技術を臨床の場において提供することで,看護の実践的能力を身につけるために行われている.3年次の各論実習は,学生にとって未知の世界であり,さまざまな不安を抱いている.今回STAIXを用いて学生の不安の程度を測定した結果,実習前は状態不安の高い学生が多く,実習後は減少していることが明らかとなり,自由記述での不安の要因については,「臨床の場」,「指導者について」,「実習記録について」「コミュニケーションについて」で,実習前はネガティヴであった反応が,実習後にはポジティヴな反応へと変化した.このことから,学生は実習に村して不安を抱えているが,STAIXで測定した,状態不安の結果から実習を繰り返すことで徐々に緊張もとれ,臨床の場という環境になれて,順応していることがわかった.しかし一方で順応できない学生は,実習が大きなストレスに変化してしまうことも明らかになった.そこで,実習開始時に学生自身が自分の不安の傾向を知ることが必要であることがわかった.学生が不安を抱えて実習に臨む時,指導方法として実習前のオリエンテーションの工夫や,演習でのかかわりで緊張を和らげることで不安が軽減できることがわかった.教員は,学生の不安傾向を知ることで実習中の学生への指導方法やメンタルケアに役立ち,学生が不安を感じながらも学習意欲を向上する指導が行えることが示唆された.
- 2005-12-06
著者
関連論文
- 成人看護学実習における看護学生のアロマテラピー効果
- 成人看護学実習における技術水準1の体験率
- 成人看護学実習における実習の不安と生活状況の関連性について
- 実習前後の看護学生の不安の変化について : STAIXを用いての分析