不変化詞の統語的位置と情報構造
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概要
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前置詞と対比される不変化詞の統語的振舞は,前置詞とは全く異なる。先行研究によれば,前置詞句と統語的構造の似た不変化詞句を想定し,<動詞+不変化詞+名詞>と<動詞+名詞+不変化詞>の語順を,格付与の視点から説明することが可能であるが,不変化詞の直後に代名詞が来ないことを始め,幾つか原理的に説明できない統語現象があるのが確認されている。本稿では,旧情報と新情報などの情報構造を統語構造に反映させることを提案することを通じて,不変化詞の統語的位置を検証し,未解決の問題に対する解決を図る。その際に,名詞と代名詞の格付与における認可に対して,それぞれの要素からVP主要部への経路数が関わっていることを示し,格付与に必要な条件(=格付与条件)を設定した。名詞に関する経路数は4〜7,代名詞に関する経路数は2〜3が格付与条件であることを示した。
- 近畿大学の論文
- 2006-03-31