実験用ウサギのパスツレラ感染に関する病原学的研究
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概要
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実験用ウサギの腹部皮下膿瘍からグラム陰性の小桿菌が分離された.分離株の培養性状ならびに各種生物学的性状より本菌はPasteurella multocidaと同定された.グルタールアルデヒド固定・抽出抗原感作ヒツジ赤血球を用いる間接血球凝集反応およびヒアルロニダーゼ脱莢膜試験により, 分離株の莢膜抗原型はA型と決定された.分離株はSPF ICRマウスの腹腔内投与により弱い病原性を示した.SPFウサギの腹部皮下注射により自然例に似た膿瘍が再現され, 病変部から菌が回収された.本菌を経鼻接種されたウサギには, 軽度のスナッフルが認められたに過ぎなかった.某動物ブリーダーの汚染調査において, 21匹中4匹(19%)からP.multocidaが分離された.このことは, わが国のコンベンショナル動物飼育施設の一部に本菌が根強く汚染していることを示唆している.
- 1994-03-25
著者
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