水分欠乏が葉の水ポテンシャルと蛋白質含量に及ぼす影響
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概要
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トウモロコシとカボチャはについて, 水分欠乏が葉位別水ポテンシャルと蛋白態窒素, 非蛋白態窒素含有率に及ぼす影響について検討した.水ストレス区の試料の培養液はマンニトールを添加することによって水ポテンシャルを低下させ, 24時間処理後, 葉を各葉位別に収穫し, 直後に水ポテンシャルをpressure chamber法によって測定した.葉身は乾燥後トリクロロ酢酸(TCA)溶液中でホモゲナイズし, TCA可溶(非蛋白態)窒素とTCA不溶(蛋白態)窒素をケルダール法によって定量した.カボチャの葉の水ポテンシャルは葉位が増加するのに伴って低下したが, トウモロコシの葉ではやや増加した.トウモロコシの生長しつつある葉鞘とカボチャの葉柄の生長は弱い水ストレスでも著しく抑えられた.乾物重あたりでは, 弱い水ストレスは非蛋白態窒素の著しい増加と蛋白態窒素のわずかな減少をもたらした.それ故, 非蛋白態窒素/蛋白態窒素比n.p.N/p.Nは水ストレスに対する葉の窒素代謝のレスポンスの感度のよい指標となることがわかった.トウモロコシの生長しつつある上位葉は下位葉よりも水ストレスに対してn.p.N/p.Nの著しい増加を示した.カボチャの葉身では弱い水ストレスに対してトウモロコシの葉身よりもより敏感にn.p.N/p.Nが増加した.
- 鹿児島大学の論文
- 1986-03-15
著者
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