シラスがけの自然植生(1)
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概要
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一般に, シラスがけは水分が少なく, 急傾斜で, またかなりのかたさを持つ.調査区域内のシラスのかたさは山中式土壌硬度計で指標硬度26mm内外であり, シラス全体としてみれば, それは軟かいシラスと普通のかたさのシラスとの漸移領域にあり, 人工的な緑化工ができるか, あるいはできないかという領域にある.緑化種としては, がけの傾斜やシラスのかたさに関係なく, どのような方位の斜面にも生育し, 水分や養分の要求度が少なく, しかも被度・頻度の大きい植物が望ましい.シラスがけの植生調査を行ない, がけの方位, 傾斜, およびシラスのかたさなどと植生の状況を検討して, 次のような主な組成種を明らかにした.これらはシラス斜面の植生による法面保護工において用いられる植物種の選定に際して参考となるであろう.羊歯類……Sphenomeris chusana, Leptogramma mollissima, Woodwardia formosana, Crypsinus hastatusなど.草本類……Miscanthus sinensis, Imperata cylindrica, Artemisia princeps, Polygonum chinense, Pogonatherum crinitum, Farfugium japonicum, Pueraria lobata, Youngia denticulata, Erigeron bonariensis, Parthenocissus tricuspidataなど.木本類……Pinus thunbergii, Lespedeza cyrtobotrya, Salix sieboldiana, Deutzia scabra, Pittosporum tobira, Elaeagnus umbellata, Ficus erecta, Phus succedanea, Mallotus japonicus, Eurya japonicaなど.
- 鹿児島大学の論文
- 1975-03-20