予算管理研究に関する一考察
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概要
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近年,予算管理を巡って興味深い動きが見られる。これまで経営管理のための代表的なシステムとして君臨してきた予算管理システムに対して,その有用性を疑問視する見方が台頭してきたのである。いわゆるBeyond Budgeting(BB)論争である。BBアプローチは,予算管理の放棄と破壊・再構成の立場をとっており,予算無用論とも言われている。この極端な見方に対して,予算管理の改善と批判的享受という立場をとるActivity-Based Budgeting(ABB)アプローチを唱える動きも見受けられる。一方,予算動機の多様性に注目することによって,BBアプローチ的な立場から批判されているほど予算管理の有用性は失われていないのではないかという見方が可能である。予算管理の有用性を疑問視することは,複数の予算動機のパフォーマンスをすべて否定することにもなりかねない。これまでの予算管理は業績評価動機に重点を置いてきたきらいがあるが,単に業績評価動機のパフォーマンスが低いことから予算管理自体の有用性を疑問視するのであれば,予算管理は無用であるという主張は必ずしも妥当なものではない。
- 2006-03-20
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