和服における着崩れについての考察(第2報)
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概要
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わが国独自の和服は、着付けることによって衣服としての機能を果たす。着装後時間を経過することによって、動きに伴い着装直後と形状の変化つまり着崩れが生じる。この着崩れについて、前報に引き続いて究明したのが本研究である。前回の実験について疑問視された、いくつかの点について解決を計るために、今回も、3タイプ、つまりS・M・Lサイズの被験者について、標準寸法と割り出し法による仕立て上がり寸法を採用した試着衣を新たに作製し、着装実験を行った。試着衣の作製条件として、視覚的判断を考慮して実験に用いる浴衣地の図柄などを同一にすること、ある程度幅のある標準寸法を一律に定めること、一定の技術で縫製し均一に仕上げることなどについて配慮した。着装実験によって、前回とほぼ同様な結果を得ることが出来た。つまり、S・Mサイズについては、標準寸法を統一したことで着装スタイルの変化はあっても、着崩れ量の変動は少ないし、割り出し法においてのスタイル・着崩れ量も同程度と判断できた。Lサイズに関しては標準寸法での不足が一層明瞭になり、割り出し法によっても許容範囲ではあるが充分ではない。ただし、それによる着崩れは同程度であることを確認した。加えて、Lサイズについて、課題を解決する手掛かりとして、幅の広い浴衣地を準備し布幅の関係で、試みてない割り出しで算出した数値によって試着衣を作製し再実験を試みた。結果、着装スタイルはほぼ満足出来る形となったが、接合線位置つまり各身幅の比率について新たな課題が残される結果となった。
- 2004-03-31
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