トマス・アクイナスの「正義」(iustitia)概念(企業マネジメント学科)
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概要
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トマス・アクィナスにおいて,「正義」(iustitia)とは「それによって或る人が,変わることなく続く意志によりおのおのの人の権利をその人に帰せしめる」徳である。したがって,それは他者との関係において成立する徳であり,他者にしかるべき善を公平にもたらす徳であるので,他者と共に生きる人格の完成であると言える。このような正義は人間の限界内では他者に対する公正さにとどまるが,神に対する愛によって高められた正義は隣人への愛によってさらに完全なものとなる。これはすなわち,人間の能力の限界内におけるものではあるが神の正義の実現である。したがってトマスにおける正義とは,他者にそのしかるべき善をもたらすという人間の徳でありながら神への愛によって,神の正義を人間の限界内ではあるが実現するものとなる。
- 聖泉大学の論文
- 2006-03-05
著者
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