フィリピン海盆から採集されたヒラタヒザラガイ属の1新種(<特集号>第2回国際ヒザラガイシンポジウム)
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概要
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フィリピン海盆から採集されたヒラタヒザラガイ属の1種を記載した。Ferreiraella tsuchidai n. sp.ツチダヒラタヒザラガイ殻板は本属としては高く隆起する。尾殻頂は低いが,尾板後縁より明らかに高く隆起する。殻表はほぼ平滑で側域はわずかに隆起する。殻表の枝状器官の各末端は大枝状器官の1個の扁平な頂帽と,4〜7個の小枝状器官の指状突起で構成され,頂帽と指状突起は近接する。着生板はない。タイプ標本:ホロタイプ20.3×11.8mm,NSMT-Mo73601;パラタイプ18.2×10.9mm,NSMT-Mo73602。タイプ産地:フィリピン海盆,白鳳丸KH-79-01,St.5-1,05°30.8′N,130°20.2′E to 05°28.0′N,130°19.9′E,水深5567m。比較:本新種はカリブ海の水深6780mから知られる本属のタイプ種Ferreiraella caribbensis Sirenko,1988に類似するが,後者は殻表に明瞭な顆粒をもつことと,枝状器官末端の頂帽と指状突起がやや距離をおいて配列することで区別される。また本属の他種とは着生板をまったく欠くことで区別される。
- 2006-05-31
著者
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齋藤 寛
Department of Zoology, National Science Museum
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齋藤 寛
Department Of Zoology National Science Museum
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