1.高熱を受けたコンクリートの強度と弾性の変化 : 第2報・材令28日コンクリートの引張強度と弾性係数
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概要
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今回の論文は第1報の残存圧縮強度に引続き残存引張強度と弾性係数の低下,及び加熱減量の変化等に関する実験結果の報告である。吾国で広く利用される河砂河砂利即ち砂岩質骨材コンクリートは温度上昇と共に残存引張強度の低下著しく、第1報の残存圧縮強度に比較して更に10〜15%の低下があり、而も空中放置30日で更に10%内外減少する。且つ経歴温度500℃以上は空中放置後数日で大きな龜裂を発生し小型供試体では強度試験は不可能である。応力〜歪曲線の測定によれば全歪度及び破壊歪度は温度に比例して増加し、残留歪度も亦温度と共に増大する。即ち500℃の全歪度は、常温値の800〜900%にも及び、残留歪度は全歪度の60〜70%と成る。応力〜歪曲線の型式は500℃以上は常温曲線と反対に歪軸に凸型を画き、残存弾性係数も亦温度上昇と共に著しく減少して、500℃では常温値の5〜10%に過ぎない。加熱減量は温度と共に増加して500℃を以て階段的に変化し、冷却後空中放置に伴う増量の曲線を同じく500℃を以て階段的な変化曲線を画く。即ち火害コンクリートの500℃以上は全く塑性化したコンクリートで構造用材料としての利用は困難である。
- 社団法人日本建築学会の論文
- 1954-03-30
著者
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