パーキンソン病に対する視床下核脳深部刺激療法(STN-DBS)(<特集>パーキンソン病)

概要

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視床下核の脳深部刺激療法(STN-DBS)は,現在,パーキンソン病に対する外科治療の中心的役割を担っている.手術のよい適応としては,(1)運動症状の変動が激しい症例で,特にon-periodではADLが自立している症例,(2)副作用のためドパが十分に内服できない症例,(3)ドパ誘発性ジスキネジア(DID)が激しい症例,などが挙げられる.運動症状の変動が激しい症例では,off-periodを改善し「底上げ」することにより病態を改善する.ドパが副作用のため十分に内服できない症例に対しては,ドパの効果をSTN-DBSが「肩代わり」する.DIDに関しては,ドパを減量することによる二次的な効果だけでなく,直接作用も有すると考えられる.また,情動に関する検討では,運動症状の改善には依存しないで,うつが改善することがしばしば観察された.精神症状や認知機能障害の多くはコントロール可能で,出現しても一過性であった.5年以上のfollow-upが可能であった自験例のほとんどで,こうした効果は維持されていた.
2006-11-20