水稲コシヒカリの登熟期間における止葉の窒素含量, CCN値, SPAD値の関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
水稲品種コシヒカリを用い,登熟期間(本報の場合,傾穂期〜成熟期間を示す)における止葉の窒素含量の化学分析値(ケルダール法,CCN値(近赤外透過方式,SPAD値(光学濃度差方式)の関係について検討した.登熟期間における止葉のSPAD値とCCN値との間には高い相関(r=0.942)が認められ,y=0.105x-0.460の一次回帰式で示される.ただし,y:アグリエキスパート(CCN-05A)によるCCN値の推定値(窒素含有率,%),x:葉緑素計SPAD-502によるSPAD値である.この回帰式による回帰推定の標準誤差は0.19%であり,従来のSPAD値からCCN値への変換を実用的な精度で行うことが可能であることがわかった.一方,糊熟期における止葉のCCN値と窒素化学分析値との間には高い相関(r=0.837)が認められ,y=16.12-2.70x+1.51x^2の二次回帰式が成立する.ここで,y:乾物当たり窒素含量の化学分析値の推定値(gkg^<-1>DW),x:アグリエキスパート(CCN-05A)によるCCN値(窒素含有率,%表示)である.CCN値による窒素化学分析値の推定誤差(RMSE)は6.14gkg^<-1>DWと大きかった.しかし,この回帰式を用いることにより推定誤差は1.96gkg^<-1>DWまで低下し,CCN値は止葉の窒素含量を示す実用的な指標値となることがわかった.
- 2006-10-05
著者
関連論文
- 水稲粗玄米粒厚分布の省力化調査法について
- 水稲コシヒカリの登熟期間における止葉の窒素含量, CCN値, SPAD値の関係
- 植物生育調節剤による水稲の倒伏防止に関する研究 : 第 1 報コシヒカリに対する NTN-821 粒剤の施用効果について
- 斜線刈取りによる水稲収量簡易速決診断法の改善 : 特に比重1.06で選別された稚苗移植水稲の精籾の籾摺歩合について
- 近年における鳥取県の水稲収量成立の実態について
- 植物生長調節物質による水稲の倒伏防止に関する研究-1-トリアゾ-ル系化合物NTN-821粒剤の倒伏軽減効果
- 植物生育調節剤による水稲の倒伏防止に関する研究 : 第 2 報 生育量を異にした場合における NTN-821 粒剤の施用効果について
- 水稲収量水準向上の阻害要因の解明とその改良に関する研究-3-稚苗移植水稲の短穂化現象に関与する2,3の要因について
- 水稲収量水準向上の阻害要因の解明とその改良に関する研究-2-鳥取県における水稲収量の成立に関する統計的解析
- 28 稚苗移植水稲におけるlag期窒素追肥が収量および収量構成要素に及ぼす影響
- 稚苗移植水稲群落における収量および収量構成要素の株間変動 (予報)
- 8 稚苗移植水稲における1穂頴花数の成立因子について
- 稚苗移植水稲における 1 穂頴花数の成立因子について (予報)
- 水稲収量水準向上の阻害要因の解明とその改良に関する研究-1-稚苗の1株植付苗数の相違が生育相、収量および収量構成要素に及ぼす影響
- 水稲コシヒカリ同質遺伝子品種ヒカリ新世紀の耐倒伏性
- 水稲育苗箱全量施肥がコシヒカリ玄米の窒素濃度および検査等級に及ぼす影響