新しい認知機能検査としてのComputer Applied Dementia Scale (CADS)の有用性について : 横断的・縦断的研究
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概要
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わが国では,認知症のスクリーニングテストとしては,改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R),Mini-Mental State Examination (MMSE)がよく用いられているが,被検者によっては動機付けが難しかったり,しばしば不安や緊張・防衛を引き起こすことがある.早期発見を進めるために,さらにやさしい課題で動機づけがしやすく,しかも検査手順も簡単なスクリーニング検査が求められる.我々が命名したコンピュータ応用簡易知能スケール(Computer Applied Dementia Scale, CADSと略す)は,HDS-Rと高い相関が認められ,WAIS-R動作性IQやコース立方体組合せテストとも相関が認められ,認知症のスクリーニングテストとして有用であると考えられる.これは,電子ペンを使って30個の点を打つだけの簡単なテストで,検査時間は平均約2分ときわめて短く,検査されているという感覚なしに施行できるスクリーニングテストとして優れた特徴を持っている.さらに,CADSはHDS-Rとの横断的研究において高い相関が認められるのみならず,12年の長期経過後も同一症例で高い相関が認められており,経過観察する際にも有用な検査であると考えられる.
- 近畿大学の論文
- 2005-12-25
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