既存企業による破壊的イノベーションの可能性 : 乗用車ベースSUVの開発
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概要
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Christensenらはいわゆる「破壊的イノベーション」は既存企業の既存組織において達成することに否定的な意見を持っているが、自動車業界においてはその既存企業であるトヨタ自動車を中心にした我が国自動車企業がSUV市場に既存のSUVと比較してオフロード走破性に劣る乗用車ベースのSUVを開発販売し、それが「破壊的」といえる影響をSUV市場にもたらしている。そこで、本研究においてはいかなる産業的条件や経営的特色があれば既存企業による破壊的イノベーションが可能なのか分析した。その結果、乗用車のように多面性がある商品でかつそのような商品に開発に適した組織が存在する場合、組織学習が適切にできる組織がある場合、組織的知識創造が行ないうる組織である場合では既存企業の既存組織であっても破壊的イノベーションが可能であることが示唆された。また、組織学習や組織的知識創造は長期雇用の存在により促されることも指摘した。
- 東海学園大学の論文
- 2006-03-31
著者
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