主張性尺度研究における測定概念の問題 : 4要件の視点から
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概要
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本研究では,主張性の理論的概念と,主張性尺度に見られる測定概念との異同について考察した。主張性の理論的概念には,「考えや感情の素直な表現」,「感情に流されない主張」,「他者や状況への配慮に基づいた柔軟な対応」,「行動に対する主体的判断」の4要件が含まれていた。従来の主張性尺度を,測定対象の観点から4つに分類して検討した結果,4要件を十分に測定する尺度は存在しないことが明らかになった。さらに,従来の主張性尺度を構成する因子について検討を行ったところ,主に行動の種類を基準として因子に分かれていることが判明した。従来の尺度が4要件を十分に測定しない理由は,行動的側面に焦点を当てているためであると考えられた。そこで本研究では,主張性尺度研究に,認知的側面,情動的側面,行動的側面からの検討を導入することを提案した。これらの3側面から検討することによって,主張性の4要件を測定することができるようになると考えられる。それに伴って,主張性の測定概念が充実化し,より理論的概念に即した主張性の測定を行うことが可能になるだろう。
- 2006-09-30
著者
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