虫体・葉片散布法によるフジコナカイガラムシの薬剤感受性

概要

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和歌山県下5地域のカキ園(慣行防除4園,無散布1園)からフジコナカイガラムシを採集し,虫体・葉片散布法により薬剤感受性を調べた.プラスチック容器に0.5%寒天ゲルを注入して,インゲンマメの初生葉片を置き1齢幼虫を放飼し,1齢幼虫は放飼2日後,2齢幼虫は9日後,3齢幼虫は16日後,成虫は25日後にそれぞれ回転式薬剤散布塔で薬剤を散布した.無散布固から採集された橋本個体群のLC_<50>値は,シペルメトリン水和剤では0.637ppm,メチダチオン水和剤では1.15ppm,アセタミプリド水溶剤では0.029ppmであり,これに対して粉河を除く慣行防除園から採集された個体群におけるLC_<50>値は,シペルメトリン水和剤では8.0〜12.2倍,メチダチオン水和剤では6.0〜7.8倍,アセタミプリド水溶剤では15.4〜20.2倍高かった.かつらぎ個体群(慣行防除園)の薬剤感受性は概してネオニコチノイド剤が高く,次いで有機リン剤とカーバメート剤であり,合成ピレスロイド剤は最も低かった.プロチオホス水和剤やメチダチオン水和剤などの薬剤感受性は齢期の進行に伴い低下したが,アセタミプリド水溶剤では2齢以降も感受性が高かった.
2006-08-25