胃癌を契機に発見された腹膜偽粘液腫の1例
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概要
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症例は54歳の女性で,CEA高値を指摘され精査目的の胃内視鏡検査にて胃体下部小彎にType 0 IIc, T2を認めた.腹部CTでは下腹部に累々と連なる低濃度の小腫瘤を認め,胃癌腹膜播種を疑うも確定診断が得られなかったため手術を施行した.術中に胃癌腹膜播種と腹膜偽粘液腫の鑑別がつかず,幽門側胃切除B-II再建を施行した.病理報告では胃癌腹膜播種との報告であるも,臨床的には腹膜偽粘液腫が強く疑われたため再検したところ腹膜偽粘液腫の可能性が高いと判断されたため,再手術にて腫瘍切除・大網切除・虫垂切除・横行結腸部分切除・腹腔用リザーバー留置を施行した.切除標本では虫垂原発の腹膜偽粘液腫の可能性が示唆された.術後,CDDP 100mg, MMC 10mgを計3回腹腔内投与した.術後11か月でCEAが軽度上昇したため,5'DFUR 1,200mg/day内服を開始している.現在術後2年6か月になるが再燃は認められていない.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2006-09-01
著者
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