粉末状大豆たん白の食味への影響 : 「花巻」と「ポテトニョッキ」について
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概要
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平成12年より、植物性たん白、特に健康特性の高い大豆たん白を家庭料理の食材として手軽に取り込むことを目的に、新しいメニューの開発などを行ってきた。今回は、「花巻」と「ポテトニョッキ」をサンプル料理として選び、大豆たん白添加量の多寡による食味の違いを官能検査により検証した。大豆たん白の添加量は、「花巻」では薄力粉の10%、「ポテトニョッキ」では強力粉の1/3とした。「花巻」では「噛んだときの匂い」、「味」、「食感」、「好き嫌い」、「もう一度食べても良いと思うか」の全ての項目で「コントロール」の方が「大豆たん白添加」よりも良い評価を得た。しかし「大豆たん白添加」も評価点の平均値は「普通」の0よりも高く、評価点の平均値の差の検定でも「コントロール」と有意差は見られなかった。10%大豆たん白添加の「花巻」は料理として完成度は高いと考えられた。「ポテトニョッキ」では「噛んだときの匂い」、「味」、「食感」、「好き嫌い」、「もう一度食べても良いと思うか」の全ての項目で「コントロール」の方が「大豆たん白添加」よりも良い評価を得、この結果は「花巻」と同様であった。しかし「噛んだときの匂い」以外の「味」、「食感」、「好き嫌い」、「もう一度食べても良いと思うか」の4項目に関する評価点では、「大豆たん白添加」は何れもマイナスとなり、「コントロール」との有意差も1%の危険率で認められた。強力粉の1/3を大豆たん白で置き換えるのには無理があり、美味しく食べられる使用割合を更に検討する必要があると感じた。最後に、「花巻」及び「ポテトニョッキ」の官能検査を行うに当たり、神奈川県立保健福祉大学研究倫理委員会の承認を得たことを申し添える。
- 2006-03-25
著者
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