イタリア産地における組織間構造の変動 : グローバル化への対応との関連で
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概要
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イタリア北・中西部の産地(企業)は、現代において有効なモデルだと言われることもあったが、80年代後半以降のグローバル化の進展に伴って苦戦を強いられ、伝統的な産地特性が変容しつつある。本稿では、その過中にあるイタリア産地の組織間構造の変化に焦点を当て、諸説を通じて新たな生産組織や企業間関係のあり方を中心に考察してみた。近年、産地の(生産)細分化構造の弊害等を超克するため、産地のリーダー企業を中心に(または小企業どうしで)「グループ」を構成する動きが顕著になってきている。その変化の中心にあるリーダー企業の「リーダーシップ」や「コーディネート」、また外部から獲得した情報資源の産地内での展開によって、産地企業の多様な発展形態が導き出されうる。故に、所有構造によって産地の生産組織が大きく規定されたり、生産組織の形状それ自体が発展方向を決めるということはなく、むしろそれらを前提とした情報資源の伝達・応用・展開のあり方が、産地の発展により強く作用するのではないかと推察された。
- 2005-03-25
著者
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