「第三のイタリア」の産地に関する一考察 : グローバル化への「適応性」と産地特性の「規範性」を問う
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概要
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イタリア北・中西部(「第三のイタリア」)の産地企業は国際競争力を持つと言われるが故に、わが国の地場産業や中小企業の発展に示唆があるのではないかと注目を集めてきた。しかし近年、グローバル化の進展に伴って、産地企業の苦戦が顕著になっている。彼らが今後も活力を維持するためには、適切な戦略的アライアンスと諸企業・諸資源のコーディネート能力や「グローカル」な集団学習がカギではないか。また、パニッチアの研究を通じて、一般に流布するイタリアの産地(企業)モデルは現実にはわずかしか存在せず、産地ごとに様々な特性を保持していることを確認するとともに、「産業風土」等と呼ばれる地域における根強い相互扶助の存在も推察する。そして、わが国の地場産業へ示唆を得ようとする際には、イタリア産地企業のグローバル化への適応・対応と地域の相互扶助や生産における芸術的要素も考慮しつつ、産地の発展段階に応じて行うのが適切ではないか。
- 大阪成蹊大学の論文
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