イオン注入法によるナノサイズ合金超微粒子の作製とその巨大磁気抵抗効果
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概要
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酸化物絶縁体中に埋め込まれたナノ(10億分の1m)サイズ・オーダーの金属超微粒子(数百〜数千の原子集団)により構成されるグラニュラー層は,超微粒子に特有な光学的,電気的及び磁気的特性を有することが知られている。例えば,強磁性金属の微粒子の場合には"超"常磁性とかスピングラス的挙動など,その微小サイズの故に特異な磁性が現れるようになる。我々は,このような超微粒子に現れる新規な磁性の研究,トンネル型巨大磁気抵抗効果(Tunneling type Giant Magnetoresistance, TMR)の発現,及びその応用を目指す研究を行ってきた^≶[1]>。特に2種類の金属イオン, Fe及びCuやCoのイオンを共注入して合金超微粒子を作製することに成功し, Fe-Co系グラニュラーに於いては内外で報告されている中では最高のTMR効果が現れることを見出している^≶[2]>。本研究では,イオン注入による新たな2元の鉄基合金微粒子の創出の可能性について調べ,新規な合金系グラニュラー材料を開拓することを目的として行った。絶縁性酸化物基板にはSiO_2及びAl_2O_3単結晶を用い,最初にFeイオンを続いてCuイオンを注入する実験を行い,通常の熱平衡下では形成されないFe-Cu合金系がイオン注入の条件下で形成されることを明らかにした。
- 2006-06-20
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