職業適性の発達について
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概要
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職業適性の発達的変化を解明するために,看護適性の問題を取り上げ,看護学生を対象として,「改訂看護適性検査」を実施し,その入学時における検査結果と卒業時におけるそれとを比較,検討した。その結果,一般社会場面の状況判断力では,「未知の人との話題」「賛成できない方針への服従」の場面において,看護場面の状況判断力では,「患者間の仲間はずれ」「神経質な患者」「患者の看護婦独占」に対する態度ほか5場面において,それぞれ各時期間で有意義な差異が認められ,適性の向上を確認することができた。また,職業適性の重要な要件としての職業興味については,「心理学の学習」「病気の原因に関する読書」「精神病院訪問」など計11項目において興味・関心の増加が,「病人のベッドの整頓」「病人の食事の世話」「ドレスのスタイルの工夫」など計6項目において興味・関心の低下が,それぞれ明確に認められた。各種の状況に対する態度・判断力および職業的活動に対する興味・関心を通じて追求した職業適性に関する上述の発達的変化は,数年間の学校生活や実習を通して職業への自覚が高まることによって,また日常の職業的場面での対人関係などの体験を通して獲得された知識や態度によって生じたものと考えられる。
- 島根県立大学短期大学部の論文
- 1977-03-31
著者
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