職業選択における形成要因の出現過程 : 児童期から青年後期までの縦断的発達研究
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概要
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個人の児童期から青年後期までの職業的発達における選職形成要因の出現過程を把握,理解するために大学生を対象として回想法による調査研究を試みた。1.全般的な傾向として児童期では興味要因が中心をなし青年前期では価値要因が興味要因と同等に作用し同中期では性能要因が出現し同後期では性能要因が増加するとともに現実要因が表面化し職業決定段階では現実要因が重視される。同時に価値感は青年全期を通じて不可欠の要因となっている。2.要因の出現過程における個人差はとくにその属する成育・居住地域社会環境,家族環境ならびに選択職業等によって生ずることを具体的に解明した。3.一個人が各発達段階で同一の職業を選択していてもそれぞれの要因を比較すると殆ど同一のものではなくて,発達的変化がみられ,その発達の具体的過程を分析することができた。4.青年期における要因は(1)興味(2)価値(3)性能(4)現実の順に出現する者が最も多い。5.個人における各要因間の関連とその発達過程を考察して,望ましい職業的発達過程における個人の職業的価値体系確立の必要性および自己評価と現実吟味とによる自我概念修正の意義を解明した。6.上述の結果を総合して学校教育活動の組織の再検討と進路指導における発達的カウンセリングの重要性を考察した。
- 1969-02-28
著者
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