メチルコラントレン誘発マウス横紋筋肉腫におけるMdm2及びp53蛋白質の免疫組織化学的解析(病理学)
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概要
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メチルコラントレン(MC)によってマウスの真皮に誘発された横紋筋肉腫34例:胎児型(ERSs)10例と多形型(PRSs)24例におけるMdm2,p53及びproliferating cell nuclear antigen (PCNA)の核内反応を免疫組織化学的に調べた.ERSsはMC接種後10-13週において発生が確認できる様になり,PRSsは接種後13週以降に認められた.中程度から高度のMdm2の核内反応はERSsの全例,PRSsの24例中23において認められた.中程度から高度のp53の核内反応はERSsの10例中5例,PRSsの24例中19例において認められた.P53の過剰発現はERSsに比べてPRSsにおいて増加した.Mdm2陽性/p53陰性の過剰発現はERSsの5例,PRSsの5例において,Mdm2陰性/p53陽性の過剰発現はPRSsの1例において認められた.Mdm2の発現レベルはp53に比べて優位であり,両蛋白の発現には相互関係が認められなかった.PCNAの核内反応はERSsに比べてPRSsにおいて顕著に増加した.MC誘発マウス横紋筋肉腫におけるMdm2の過剰発現は腫瘍発生過程において重要な役割を果たし,その発現はp53非依存性経路によって誘導される可能性が示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2006-05-25
著者
-
井上 誠
Department Of Veterinary Pathology Faculty Of Agriculture Yamaguchi University:department Of Veterin
-
呉 海燕
山口大学連合獣医学研究科
-
井上 誠
山口大学連合獣医学農学部
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