自然河床上におけるチリメンカワニナの活動の日内変化および移動
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概要
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京都市内の賀茂川で, チリメンカワニナの活動性と底質利用の日内変化, および流水中での移動について調査した.チリメンカワニナは夜行性の活動パターンを示し, その傾向は緩流域で特に顕著であった.活動時の底質利用は, 泥の堆積が増えると, 砂泥底面に偏るようになった。緩流域では, 休息場所として石の下や堆積物の中が利用され, 一回の休息は長かった。また, 急流域では, 活動場所と同じ石や砂の露出面が休息場所として利用され, 休息は短く断続的であった。一晩の歩行量は緩流域で約2m, 急流域で約1mであった。貝は, 本来の生息地では平均すると上流にも下流にも移動しなかったが, 本来の生息地よりも流速の早いところへ移植された貝は, 下流方向に移動する傾向があった。これらの結果と過去の研究との異同について論じた。
- 1998-03-31
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