児童思春期発症の精神分裂病における治療介入を遷延化させる要因
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概要
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精神分裂病に対する早期治療介入が予後を改善することか知られており,特に児童思春期発症の分裂病では,早期治療介入は重要な課題である.本研究は,18歳以下で発症した精神分裂病患者80症例を対象に,発症から精神科医療機関受診までの期間(非受診期間),受診から確定診断までの期間(診断期間)に対する発症時年齢,初発症状,病前性格の影響を統計学的に検討した.非受診期間は低発症年齢が,診断期間は神経症性症状による発症が,各期間の遷延化要因と判断された.しかし,病前性格は各期間に影響しなかった.これらの結果から,罪受診期間には家族,学校側の受診に対するためらいや精神症状のとらえにくさ,診断期間には現在の診断基準(DSM-ⅠⅠⅠ)の適用が遷延化に影響したものと考えられ,早期治療介入には,家族,学校関係者への分裂病の知識の提供,教育-児童相談機関との連携および児童思春期早期から適用可能な診断基準の確立が重要と考えられた.
- 弘前大学の論文
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