実生幼苗を利用したイチゴ炭そ病抵抗性の選抜に及ぼす管理温度の影響
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概要
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イチゴ実生に5×10^5個/ml(±1×10^5)の炭そ病菌胞子懸濁液を噴霧接種し,気温28℃相対湿度100%の接種箱内に約24時間置いた.1.幼苗(移植15日後)の枯死株率は,成苗(移植37日後)に比べて急激に増加した.しかし,交配組合せごとに求めた枯死株率に関して幼苗と成苗との間に高い相関がみられたことから,幼苗時でも苗齢を揃えることにより相対的に抵抗性を評価できると考えられた.2.移植7日後の幼苗において20,22,24および26℃の温度条件で選抜を行ったところ,温度が高いほど,枯死株率が高くなった.また,選抜株からランナー苗を増殖して抵抗性検定を行ったところ,選抜した4つの区ではいずれも抵抗性の弱いクラスの分布が少なくなり,選抜の効果は明らかに認められた.なお,処理温度が高いほど抵抗性の強いクラスまで淘汰する結果となったことから,淘汰圧を強める場合には高温に,弱める場合は低温に管理することが適切である.
- 園芸学会の論文
- 1998-11-15
著者
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