イチゴの実生集団における早晩性の評価法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
イチゴの促成栽培における早晩性を評価するため, 栄養繁殖系統における花芽分化開始日の推定方法や実生個体における出らい日を基準とした簡易評価法について検討した.また, それらの結果から, 早晩性の遺伝特性を推察した.1. 遺伝的に均一な栄養繁殖集団である'女峰'においても, 出らい日の頻度分布に分離がみられた.そのため, 遺伝的要因による表現型分離の有無を確認する場合には, 出らい日を指標とすることは適切でないと考えられた.2. 交配実生から増殖した37組の栄養繁殖系統を用い, 9月4日から28日まで8回に分けて各系統2株ずつ定植し, 出らい遅延株が発生しない最も早い定植日をその系統の花芽分化開始日と推定した.花芽分化開始日は単峰型の連続分布を示したことから, 早晩性に主働遺伝子は関与していないと推定された.3. 交配実生で1年目に調査した各個体の出らい日と, それらを栄養繁殖した各系統における花芽分化開始の推定日との間に, 有意な相関が認められた.このことから, 実生の出らい日の早晩を基準にして, 簡易に早生個体を選抜することが可能と考えられた.
- 園芸学会の論文
- 2002-03-15
著者
関連論文
- 花芽形成期の温度がイチゴ果実のそう果数と果重に及ぼす影響
- イチゴ萎黄病抵抗性の品種間差異および抵抗性品種と罹病性品種のF_1における抵抗性の分離
- イチゴ炭そ病抵抗性に関する選抜実生群と非選抜実生群間での果実品質および早晩性の比較
- 炭そ病抵抗性イチゴ新品種'サンチーゴ'の育成
- イチゴの果実硬度に関する遺伝率と選抜の効果
- 実生幼苗を利用したイチゴ炭そ病抵抗性の選抜に及ぼす管理温度の影響
- 大果系イチゴ品種「アイベリ-」の先つまり果発生原因とその対策-1-発生原因の解明と各種関連要因の推定
- ヤマノイモ属栽培種"イセイモ"における効率的増殖方法に関する研究--バイオテクノロジ-の実用化を目的とした低コスト化技術について
- イチゴの実生集団における早晩性の評価法
- イチゴの実生集団における早晩性の評価とその分布