北太平洋西部海域におけるバイナリー台風の出現性と経路モードの特徴について
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概要
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北太平洋西部海域におけるバイナリー台風(相互作用しあう2つの台風を1組のシステムとみてBTSと略記する)の出現状況および特徴的経路モードの出現度数および出現背景について調べた.BTSは1年に約2回の割合で,5-11月に出現している.地理的には解析対象海域の中央部のブロックBにおけるE-W(東西方向)の初期相対位置から出現したケースが最も多かった.経路の特徴としては,BTS期間を通して相互に低気圧性回転・接近する経路(CAモード)が全体の約35%を占め,その中の約半数は併合したケースであった.前半の低気圧性回転・接近のあと高気圧性回転・離反に転じる経路(CADモード)は45%であった.相互に高気圧性回転を主とした経路(aCモード)は僅か10%であった.BTSを構成する2つの台風の強度は一般に不等であり,BTS期間平均の強い台風に対する弱い台風の強度比は0.64であった.強度およびサイズの不等性が経路モードの特性に影響する可能性を指摘した.
- 2006-06-30
著者
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石島 英
琉球大学理学部
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セルバンド ナタニエル
琉球大学理学研究科
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宜野座 亮
琉球大学理学研究科
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石島 英
琉球大学理学部:(現)npo沖縄台風センター研究会
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セルバンド ナタニエル
琉球大学理学研究科:(現)フィリピン大気・地球物理・天文行政(pagasa) リサーチ・ディベロプメント部
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宜野座 亮
琉球大学理学研究科:(現)株式会社りゅうせきnetwork情報システム部情報技術課
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