ABIOMED BVS5000 (LVAS)の装着により救命しえた緊急冠動脈バイパス術後の重症心不全の1例
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概要
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薬剤や大動脈内バルーンパンピング(IABP)にも反応不良の急性心不全の治療は,機械的循環補助の適応が考慮される.近年,落差脱血方式を採用したABIOMED社製の左室補助人工心臓(LVAS; ABIOMED BVS 5000)が,本邦でも使用可能となってきているが,開心術後の心不全に対する使用例の報告は少ない.症例は52歳,男性.呼吸困難のために当院を受診し,低心機能を伴うrecent myocardial infarctionと診断され,入院加療となった.入院2日目に突然,心室細動となり,蘇生したが効果なく,経皮的人工心肺(PCPS)を装着,緊急心臓カテーテル検査が施行された.その結果,重症3枝病変であり,緊急手術の適応と判断した.同日に緊急冠動脈バイパス術を施行した.手術は,胸骨正中切開,PCPSによる補助循環下に,心拍動下に行った.すべて大伏在静脈をグラフトとして,大動脈より#7と#4 PDへgraftingを行った.術中,PCPSの離脱は困難と判断し,左房脱血,上行大動脈送血により,ABIOMED BVS 5000を装着し,PCPSを抜去し,手術を終了した.術後,非乏尿性の腎不全となったが,術後6日目にLVASからの離脱が可能であった.当初,低酸素脳症の影響を認めたが完全に回復し,術後63日目に独歩により退院,社会復帰した.
- 特定非営利活動法人日本心臓血管外科学会の論文
- 2006-07-15
著者
-
斎藤 雄平
日本赤十字社和歌山医療センター心臓血管外科
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青田 正樹
日本赤十字社和歌山医療センター心臓血管外科
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小西 裕
日本赤十字社和歌山医療センター心臓血管外科
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小西 裕
日本赤十字社和歌山医療センター
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武田 崇秀
日本赤十字社和歌山医療センター心臓血管外科
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中根 武一郎
日本赤十字社和歌山医療センター心臓血管外科
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