2-置換-8-キノリノールの酸解離定数とキレート生成反応
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概要
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2-位置換基の側鎖末端に活性メチン炭素を有する6種類リガンドを2-メチル-8-キノリノールから合成した.メチン炭素原子に結合しているエステル基などの電子吸引性置換基の電子的効果が酸解離定数におよぼす影響を調べた.実験は50% v/vジオキサン-水系溶媒中で行い,pHを変化させたときのUV吸収スペクトルを測定した.酸解離定数(pK_<a1>)はいずれの試薬も2-メチル-8-キノリノールよりも小さいが,置換基炭素数が2のものは3のものより小さく,またニトリル置換基をもつ配位子においてpK_<a1>は2以下であることが推定された.このことは,本2-位置換基は単なる立体障害基ではなくOH基の解離に影響を与えていることが明らかとなった.pK_<a2>には,いずれの試薬においても大きな差は認められなかった.銅(II)イオンとの錯体形成を行ったところ,モル比法により配位子:金属比が2:1の錯体を得た.安定度定数(logK_f)はエステル置換基のリガンドで21程度の値を示し,2-メチル-8-キノリノールの場合の値と大きな差はない.すなわち,これらの新規配位子の置換基はそれほど大きな立体障害基としてはたらいているのではないことが分かった.他の2価金属イオンとの安定度定数の値はメチルエステルを置換基にもつ配位子において銅(II)>コバルト(II)>ニッケル(II)>カドミウム(II)>亜鉛(II)の順であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2006-05-05
著者
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