年少者における生活習慣病の増加と生命保険に及ぼす影響

概要

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生活習慣は小児期,それも非常に早期に形成されるため,小児期の食生活や運動は生活習慣病予防の観点からきわめて重要である。文部科学省発表の学校保健統計によると,年々BMIが上昇傾向を示している。肥満の原因として,脂質からのエネルギー摂取過剰や,テレビゲーム,携帯型ゲームなど,室内での遊びが多くなったことによる運動不足があげられる。これらの小児においては,本態性高血圧症,高脂血症,2型糖尿病を合併していることもあり,いわば小児のmetabolic syndromeといえる状態である。これらの小児においては,動脈硬化が促進され,虚血性心疾患や脳血管疾患のリスクがより高まると危惧される。生命保険において小児が被保険者となる場合,保険金額は一般に低く告知扱で取り扱われることが多く,肥満や高血圧症を補足することは困難である。将来の被保険者集団を形成する小児における生活習慣病の増加は,死亡保障中心から医療・介護等の生前給付型商品へとその守備範囲を広げてきている生命保険の危険選択においても無視できない問題である。
2006-06-17