マーシャル諸島共和国の環境問題とグローバル・テクノスケープの視座(<特集>21世紀の人の移動と人間環境 (1))
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概要
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水半球の小さな大地マーシャル諸島共和国は、幾重にも覆いかぶさる環境問題に悩み続けてきた。核実験の後遺症は現在も続く。伝統的自給自足の離島の生活から本島マジュロヘの移住と都市化による急激な文化変容は、様々なひずみを生み出した。不登校の子ども達は30%、失業率も同じく30%を超えた。マーシャルの経済は、太平洋島嶼諸国の典型的なMIRAB型経済(MI : 移民・出稼ぎ、R : 送金・仕送り、A : 援助、B : 官僚リーダーシップ)である。消費水準は、国内の生産能力をはるかに超え、海外からの援助に頼り続けてきた。車社会と輸入食品は、栄養不良の子どもと糖尿病の大人を急増させた。廃車と輸入品のパッケージは大量廃棄物となって、狭小な国土に溢れている。さらに海岸の浸蝕は激しく、地球の温暖化による水没の危機が叫ばれて久しい。本稿は、自動車の脱地域化と、道路・ドライブが伝統文化と重なり合う接点領域に照射し、島の環境負荷を考察する。さらに島の再生に挑戦する人々の努力と極小環礁国で人間の叡智がどのように結集しているかをグローバル・テクノスケープの視点から論じたものである。
- 2003-10-30
著者
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