好酸球増多症候群のアゼラスチンとセファランチンによる治療
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概要
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好酸球増多症候群(HES)に対してアゼラスチン(AZE)単独、またはAZE、セファランチン(CEPH)併用による治療が有効であった第1例目としての症例を報告する。9才男児が発熱と蕁麻疹にて紹介された。ヘモグロビン値正常、白血球数66,400で95%が成熟好酸球であった。アレルギー性疾患、寄生虫、結合組織病、悪性新生物、白血病、免疫不全症は認められなかった、患児はプレドニソロン治療で急速に寛解した。CEPHおよび低用量ステロイドで6.5か月間治療されたが、最終的にステロイドを中止できなかった。AZEが耳鼻科にて通年性鼻炎として処方されたが、予想外に好酸球数を正常域に減少させた。患児はAZE、CEPH併用、その後AZE単独にて3.5か月治療、それから薬剤を中止した。中止5週間後、好酸球数は25,000以上と上昇した。AZE、CEPH併用療法を再開し、その後AZE単独治療で30か月間、患児は寛解状態となり、薬剤を中止した。薬剤中止11か月後、好酸球数が再度上昇した。AZEとCEPH併用療法の再開後、患児は7か月間寛解したため、薬剤を中止している。AZEおよびCEPHは好酸球増多症候群に対して有効な薬剤で、ステロイド長期治療による副作用を回避できうるとも推測される。
- 帝京短期大学の論文
- 2004-03-31
著者
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