イヌIII級根分岐部病変に骨移植を応用したGTR法の創傷治癒に関する研究

概要

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脱脂脱灰凍結乾燥粉砕骨移植を応用したGTR法は根分岐部病変の治癒に有効であるか否かについて検索する目的でイヌを用いて以下の実験を行った。イヌの実験的に作製したIII級根分岐部病変に対して,対照群ではGTR法のみ,実験群では脱脂脱灰凍結乾燥粉砕骨移植を併用したGTR法を施し,14週間経過後に屠殺,実験部位の切片標本を作製し病理組織学的に観察した。その結果,対照群では根分岐部は緻密な結合組織が完全に覆い,骨の新生は母床骨の根面側より歯冠側に沿って僅かに認めるのみであった。一方,実験群では根分岐部は著しい骨新生を来たし,骨髄組織の占める割合が大であった。また,根端側の一部ではコラーゲン線維の機能的配列を示す歯根膜組織が存在していた。対照群,実験群共に上皮組織の侵入は全く認めず,根分岐部全域にわたり新生白亜質が生じていた。以上のことより,骨移植を併用したGTR法は骨新生を伴った根分岐部の治癒に有効な手術法であることが示唆された。
特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
1994-06-28