成人性歯周炎患者の初期治療に伴う歯周病原性細菌の検出率と血中抗体価の変化

概要

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本研究は成人性歯周炎患者の臨床評価と細菌との関わりについて検討する目的で行った。30〜48歳の成人性歯周炎患者5名について,歯周病原性細菌としてのActinobacillus actinomycetemcomitans (Aa), Porphyromonas gingivalis (Pg), Prevotella intermedia (Pi)の歯周炎局所からの検出率をDMDx^<[〇!R]9> Testを用い,またこれら細菌に対する血中抗体価の測定をELISA法にて行い,プラークコントロールとスケーリングを中心とした初期治療による臨床的評価と比較した。その結果,臨床パラメーターの改善に伴い歯周炎局所からのAa,Pg,Piの検出率は低下し,それらに対する血中抗体価も減少した。このことから成人性歯周炎において臨床症状と局所からの細菌叢およびシステミックな抗体産性には関連性が示唆された。また歯周疾患の病状の把握や治療には臨床的評価法に加え細菌叢及び細菌に対する抗体産生度の検査も有用であろうことが示唆された。
特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
1993-06-28