骨形成因子(Bone Morphogenetic Protein, BMP)の歯周治療応用に関する基礎的研究 : Hydroxypropylcelluloseを用いた骨形成因子のDrug delivery systemについて
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概要
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本研究は,歯周病により失われた骨欠損部を回復させることを目的として,骨形成能を有する植込み型生体材料にdelivery systemを応用した場合,骨形成能が高まるか否かをマウスを用いて検討した。骨形成因子(BMP)をより効果的に作用させるには,何らかの担体を応用することが有効である。そこで,本実験では薬物の持続的徐放効果に応用されているHydroxypropylcellullose (HPC)を用いてBMP-HPC複合体ペレットを作製し,BMPの持続的徐放効果を検討し,その骨形成能を検索した。BMPは牛皮質骨より抽出,精製し,その骨形成能をマウス大腿部筋膜上に移植して確認した。BMP-HPC複合体ペレットとコントロールとしてBMP単体を同部位に移植し,7,14,21日後に屠殺し骨形成能を比較,検討した。軟X線写真においてBMP-HPC複合体,コントロールともに異所性に骨の新生が観察され,組織所見より軟骨,骨の新生が認められた。しかし,軟X線写真像の画像解析による新生骨量の定量ではBMP-HPC複合体ペレットはBMP単体に比べて強い骨形成能を示した。このことより,HPCを担体としたBMPの持続的徐放効果はBMPの骨形成能を高めるという点において効果的であり,BMPのdelivery systemとして応用できることが示唆された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1991-03-28
著者
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