ヒト歯肉リンパ球のマイトーゲンに対する幼若転換
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概要
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歯周炎罹患歯肉リンパ球の分裂能を調べるため,PHA, Con A, PWM各種マイトーゲンに対する幼若転換を測定した。成人性歯周炎患者(AP)4名,重度進行性歯周炎患者(RPP)3名(17〜62歳)から歯周手術および抜歯時に歯肉を採取した。歯肉リンパ球はMacklerらの変法,コラゲナーゼ処理およびFicoll-gradient処理にて抽出を行った。10%FCSを含むRPMI 1640培地200μl中に2×10^5濃度となるようリンパ球を調製後,至適濃度のマイトーゲンのPHA, ConA, PWMに対する幼若転換を^3H-thymidineの取り込みで測定した。同様に,末梢血リンパ球を抽出しPHA, ConA, PWMに対する幼若転換を測定した。その結果,歯肉リンパ球の反応はマイトーゲン刺激および未刺激の場合でも,末梢血リンパ球と比べて低かった。末梢血リンパ球の未刺激の場合,RPP群の反応はAP群の反応と比較して低下していたが,PHA刺激では両者の反応性は同じであった。一方,歯肉リンパ球での未刺激の反応はAP群,RPP群間で差は認められず,PHA刺激の場合RPP群でのリンパ球の反応が亢進していることが認められた。以上のことより,歯肉リンパ球の反応は,末梢血リンパ球と対応せず,歯周炎の病型により分裂能に変化がみられることが示唆された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1985-12-28
著者
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