イヌの実験的歯周炎における歯肉リンパ球のマイトーゲンに対する幼若転換
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概要
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イヌの実験的歯周炎における歯肉リンパ球の機能を調べるために,イヌに実験的歯周炎を惹起し,PHA, ConA, PWMに対する幼若転換を測定した。さらに末梢血,顎下リンパ節リンパ球との反応性の比較も行った。雑種成犬7頭に絹糸結紮で歯周炎を惹起した後,コラゲナーゼ処理及びFicoll処理にて,歯肉リンパ球,末梢血及び顎下リンパ節リンパ球を抽出した。細胞の構成はギムザ染色標本で調べ,幼若転換は^3H-thymidineの取り込みで測定した。その結果,歯肉細胞浮遊液中のリンパ球は80.3%(73.0〜90.0%),マクロファージの割合は3.6%(0.8〜10.8%)であった。歯肉リンパ球の生存率は77%(61〜89%)であった。未刺激における幼若転換値は,歯肉リンパ球,末梢血及び顎下リンパ節リンパ球でそれぞれ399±107, 864±127, 758±204 cpm±S. E.であった。末梢血,顎下リンパ節リンパ球のPHA, ConA, PWMに対する反応は著明に亢進し,反応のピークは2〜3日にみられ,一方歯肉リンパ球の反応は,マイトーゲンで刺激した場合でも低く,殆んど未刺激の場合と変わらなかった。歯肉リンパ球の反応性のピークは培養1日目でみられ,以後減少した。以上の事実より,歯肉リンパ球の反応は,末梢血,顎下リンパ節リンパ球と対応せず,反応性は極めて低いことが示唆された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1985-06-28
著者
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